【考察・感想】本屋大賞ノミネート作品『ある男』映画との違いも

本屋大賞
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この記事では、2019年本屋大賞第5位を獲得し、映画化にもなった『ある男』を紹介します。

私は映画を先に観ましたので、登場人物は映画のキャストをイメージしながら読み進めました。

はっきり言って映画では、スッキリしないでモヤモヤの部分が残りましたが、小説を読んですべてがクリアになりました。

映画との違いも含めて『ある男』について考察・感想をまとめましたので、映画を観てスッキリしなかった人はぜひ参考にしてください。

ネタバレも含みますので、映画も本もまだ見ていない人はご注意を。

こんな人におススメ
  • 本屋大賞に興味のある人
  • 映画を観て、スッキリしなかった人
  • 自分が自分でなかったら良かったのにと考えたことがある人
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『ある男』という本について

タイトルある男
著者平野啓一郎
出版社文藝春秋
発行日2018年9月28日

妻夫木聡目当てで映画を観ました。

映画も良かったのですが、映画では描けなかったところが補足されたので、原作を読んで本当に良かったです。

著者について

著者である平野啓一郎さんのプロフィールです。

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。

1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。

以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。

[受賞歴]

『日蝕』(1999年 芥川龍之介賞)

『決壊』(2009年 芸術選奨文部大臣新人賞受賞)

『ドーン』(2009年 Bunkamuraドゥマゴ文学賞)

『マチネの終わりに』(2017年 渡辺淳一文学賞)

『ある男』(2018年 読売文学賞)

『三島由紀夫論』(2023年 小林秀雄賞)

引用:平野啓一郎公式サイト
ざきざき
ざきざき

その他、芥川賞など文学賞の選考委員・審査員も務めている方です。

『ある男』のあらすじ

弁護士の城戸章良は、ある女性(里枝)からの依頼を受ける。

亡くなった夫(谷口大祐)は「谷口大祐」ではなかった。

本当は誰なのか探してほしいということだった。

城戸は「谷口大祐」の人生を追うことにのめり込んでいく。

見どころ

自分の夫が全くの別人だったという衝撃。

愛した人は誰だったのか。

なぜ他人に成りすましたのか。

夫との結婚生活は何だったのか。

それらが徐々に明らかになっていく様子が見どころになります。

『ある男』の考察・感想

映画との違い

映画館のイラスト

映画は2時間という制限もあって、小説の細かい描写を端折ってる感じはありました。

しかし小説の世界観は見事に映像化されていたと思います。

小説と映画の違いがいくつかありましたが、その中で2点取り上げて考察します。

なぜ他人になりすましたか

映画では父親とそっくりなに苦しんでいて、そこが強調されていました。

顔を変えたい」と。

ならばなぜ名前を変えたのか、最後までピンとこないでモヤモヤしました。

顔を変えたいなら整形ではないの?と。

でも小説では、そこまで顔について強調しておらず、性質の遺伝の方を恐れていました。

名前や出自を変えて、全くの別人になりたかった思いを共感することができました。

城戸章良の出自

主人公の城戸章良は在日3世です。

映画では城戸の出自と、「大祐」の捜査にのめり込んでいくことの繋がりがよくわかりませんでした。

小説では、城戸の細かな心理描写があります。

城戸の出自や家庭に対する思いや苦しみ、他人になりすますことへの憧れのようなものが理解できました。

自分では選べない出自、「大祐」の思いと重なるところがあって、捜査にのめり込んで行ったのですね。

なぜ里枝にも打ち明けなかったか

なのね・・・という人のイラスト

里枝にだけは、真実を打ち明けてもよかったのではないか、と最初は思いました。

本当の自分を知っても愛してもらえたら、それ以上幸せなことはありません。

その人を表し呼び名である名前・生い立ち・過去すべてが嘘であったことを告げる勇気は、簡単には出ませんよね。

戸籍を買ったときから、「原誠」は自分の中で抹消したのでしょう。

どれほどの決意で名前を変え、生き直したかったのかを考えたら、実は・・・と明かすことはあり得ない。

彼の中では、名前を変えたときから「谷口大祐」以外の何者でもなかった、ということなのだと思います。

「大祐」は幸せだったか

ハートと黄色い花

里枝に会うまでの「大祐」は幸せだったとは言えません。

彼の出自からしたら、自暴自棄になって、犯罪を繰り返す人になっててもおかしくはない。

でも「大祐」を悪く言う人は誰もいなかった。

「大祐」の父のことを知っても、寄り添い、支えようとしてくれた人はいました。

それは「大祐」の人柄が良かったからだと思います。

それでも「父」から逃れることはできない。ずっと苦しいままです。

彼は生き直せる方法を知って、名前を変えました。

そして里枝に出会い、家庭を持ち、子供も生まれた。

里枝は「大祐」の人間性に魅かれました。

「谷口大祐」として生き直して、幸せになろうと一生懸命だった姿に涙が出ました。

名前も生い立ちも過去も嘘だったし、名前を変えることは犯罪です。

でもそれで最後の3年9ケ月は、幸せな生活が送れました。

「大祐」は里枝と出会い、結婚してからは幸せだったと思います。

最後に

『ある男』について、映画との違いも交えながら考察してきました。

いろんな人がいて、いろんな人生があります。

普通とか常識では収まらない、そうせざるを得ない状況にある人がいるんだということを、改めて考えされられました。

まだ読んだことのない人はぜひ読んでみてください。

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