第171回直木賞が発表されました。
この度受賞されたのは一穂ミチさんの『ツミデミック』です!
ノミネートされた5作品について、感想を記事にまとめてみました。
どの作品から読もうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
第171回直木賞にノミネートされたのは次の5作品です。
著者 | 著者 | 出版社 |
---|---|---|
青崎有吾 | 『地雷グリコ』 | KADOKAWA |
麻布競馬場 | 『令和元年の人生ゲーム』 | 文藝春秋 |
一穂ミチ | 『ツミデミック』 | 光文社 |
岩井圭也 | 『われは熊楠』 | 文藝春秋 |
柚木麻子 | 『あいにくあんたのためじゃない』 | 新潮社 |
時代を反映してか、新型コロナ、SNS、YouTubeなどを取り上げた作品が選ばれています。
その中では『われは熊楠』は異色と言っていいと思います。
明治から昭和までの時代を描いているからです。
新しい時代の作品もちょっと前の時代の作品も、どれもが読みごたえたっぷりでした。
それぞれの作品について、他の作品と比較した感想を簡単に述べていきます。
第171回直木賞受賞・ノミネート作品
それではさっそくそれぞれの作品について紹介していきます。
『地雷グリコ』
1冊目は青崎有吾さんの『地雷グリコ』です。
この作品のテーマは「ゲーム」です。
まったく強そうに見えない主人公が、相手を油断させながら勝ち進んでいく物語です。
ドキドキハラハラ、でも最後はよっしゃー!と叫びたくなる。
そして誰もが知るゲームに、特別ルールを付け加えて戦います。
そのルールを理解すること、両者の作戦を理解するのに頭がフル回転になります。
頭の体操と現実逃避にはぴったりですね。
今まで読んだことのないような物語だったのと、読後に頭を使ったなぁと達成感もあって、5作品の中で印象が強く残っています。
まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
『地雷グリコ』について紹介している記事があります。ぜひ合わせてご覧ください。
『令和元年の人生ゲーム』
2冊目は麻布競馬場さんの『令和元年の人生ゲーム』です。
この本にはZ世代の生態が描かれています。
ゆとり世代、さとり世代、Z世代、、、
おばさんには違いがよくわかりませんでしたが、Z世代がどういう考えなのかは少しわかった気がします。
でも何世代だろうが、生きていく上で悩みのない世代なんてないんですよね。
そのことを知ることができて、Z世代にちょっと親近感がわきました。
5作品の中では、印象は弱めですね。
でも私の印象と受賞するかどうかは全く別なので、、、、
この作品をまだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
この本の紹介記事があります。ぜひ合わせてご覧ください。
『ツミデミック』
3冊目は今回受賞となりました、一穂ミチさんの『ツミデミック』です。
この物語のテーマは「パンデミックと罪」ですね。
コロナで仕事を失ったりして、人生が変わってしまった人の恨みつらみを感じます。
6編の物語が収録されていますが、後味の悪い恐ろしいお話も、、、
強烈な印象を残しましたが、私はもう一度読み返したいとは思えません。
あ、恐ろしいお話だけではなく、心温まるお話もありますので、まだ読んでいない人はぜひ読んでみてください。
この本の紹介記事があります。ぜひ合わせてご覧ください。
『われは熊楠』
4冊目は岩井圭也さんの『われは熊楠』です。
この本は、博物学や民俗学の先駆者である南方熊楠の物語です。
何かに秀でた人というのは、「普通」ではないのだということがよくわかりました。
でも死ぬまで没頭できるものがあって、人生を懸けるほどのものがあるのは素敵なことですね。
私の好きな実在の人物の物語だったので、楽しく読むことができました。
5作品の中では、この本だけ歴史もので毛色が違います。
南方熊楠という人のことを知って知識欲が刺激され、私にとっては忘れられない1冊となりました。
この本をまだ読んでいない人はぜひ読んでみてください。
この本の紹介記事があります。ぜひ合わせてご覧ください。
『あいにくあんたのためじゃない』
最後の5冊目は柚木麻子さんの『あいにくあんたのためじゃない』です。
この本は、読後にスッキリ爽快になって元気が出る6編が収録されています。
嫌な男性がいろいろと出てきますが、被害者がみんなで協力して仕返しをする。
仕返しのやり方がお見事!と叫びたくなります。
SNSやYouTubeなどで被害に合った人たち、今の時代に他人事とは思えませんね。
それから、どこの商店街にもあるマダムショップがなぜつぶれないのか、というお話もとても興味深かったです。
特に女性には喜んでもらえる本だと思います。
5作品の中で、印象としては強い方ではなかったです。
でもこの本のことを覚えておいて、元気がないときに読み返したいと思いました。
まだこの本を読んでいない人はぜひ読んでみてください。
この作品の紹介記事があります。ぜひ合わせてご覧ください。
最後に
第171回直木賞を受賞・ノミネートされた5作品を紹介しました。
どの作品もおすすめの1冊となっています。
ぜひ気になった本から読んでみてください。