宮部みゆきSF小説「蒲生邸事件」でタイムトリップしてみた!

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宮部みゆきさんといえばいろいろなジャンルの本を執筆されていますが、この記事では日本SF大賞を受賞した「蒲生邸事件」について取り上げます。

「蒲生邸事件」はSF小説でもありますが、歴史小説でもあります。

私はSFはあまり得意ではなかったのですが、見事に物語にはまって上下2冊からなる長編を一気読みし、しばらく余韻に浸りました。

昭和初期の激動の時代に起こった二・二六事件を扱っていて、歴史好きな人にも楽しめて今の自分を見つめ直すきっかけとなる作品です。

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蒲生邸事件のあらすじ

蒲生邸をイメージした写真

予備校受験のために上京した孝史は、宿泊中のホテルで火事に遭遇。

平田という男と何とか逃れることができましたが、気がつくとそこはホテルではなく、陸軍大将だった蒲生憲之の屋敷でした・・・

浪人生の孝史が58年前の二・二六事件が起きた日にタイプトリップします。

そこでの滞在先である元陸軍大将蒲生憲之宅で孝史は事件に巻き込まれていきます。

みどころ

パソコンを見る女性の写真

この物語にはタイムトリップの能力のある人が二人登場します。

果たしてその能力を持っていることはいいことなのか、未来を変えることはできるのか。

二人ともその能力を持っているために苦しみ、最後は自分のできることは何かを考え、命をかけてそれを行います。

未来を知っている人がいたとして、歴史の大きな流れは変えられない。

歴史とは何なのか、その答えを探しながら是非読んでみてください。

蒲生邸事件を読んでみた感想

本を読む猫の写真

途中までは、はっきり言って“ガキんちょ”である孝史が、蒲生邸で偉そうにいっちょ前のことばかり言って搔きまわすのに腹が立って仕方ありませんでした。

孝史は二・二六事件のことは知りませんでしたが、戦争に負けたことは知っています。

空襲で亡くなる未来を見たこともあり、女中のふきを何とか助けたいと思い、一緒に現代に戻ろうとします。叶いませんでしたけど。

再会の約束の日は孝史にとっては約1か月後、ふきにとっては50年以上も後のこと。

自分だったら戦中戦後に生き抜くことに必死で、数日しかいなかった孝史のことは夢だったかなと思うだろうなと思いました。

いろいろと便利にはなったけど、現代は人間関係が希薄になってしまったのかもしれない。本の中の昭和11年の世界は人の関わりをとても大事にしていました。

便利になったことで失ったこともたくさんあると思いました。

蒲生邸事件の口コミ

五つ星のイラスト

蒲生邸事件を読んだ人の口コミを調べてみました。

余韻がすごすぎて仕事する気にならないのが私も同じでした。

有名な事件が起きた時に、一般市民の生活や反応がどうだったのか知ることができるのも魅力です。

いつの時代も生きることは大変なこと。時代をつないできた人がいるおかげで今があるんですよね。

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蒲生邸事件は生きる意味を考えるきっかけに

タイムトンネルのイメージ

タイムトリップできる二人はいつの時代で生きるのかを選べるのに、あえて戦争に向かっていく大変な時代を選びます。

未来を知っていても変えることができなかった二人は、いつ何をすれば自分が生きた意味があるだろうかと考えたのではないでしょうか。

人は一人では生きていけません。

二人が選んだ昭和初期には人のつながりが強かった。この時代に生きて、この時代の人々の役に立ちたかったのだと私は思います。

では現代に生きる私は何をすれば生きた意味があるのだろう。

蒲生家の人々や女中のふき、その時代に生きた人々が紡いできた日々の延長上に今現代の私がいます。

そう考えた時に、いただいた命を粗末にし、いいかげんな生き方はできないと改めて思いました。

まとめ

「蒲生邸事件」はSF小説でもあり、歴史小説でもあり、またラブストーリーの要素も持っているので、読む人を限定せずどんな人でも楽しめる小説です。

読み終えた時に「あー面白かったぁ」だけではなく、しばらくは蒲生邸事件の世界から抜け出せなくなるでしょう。

ずっしりと心に響く本を読みたい方にぜひおすすめしたいです。

蒲生邸事件の世界に入って時間旅行をしてみませんか。

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歴史好きな人には宮部みゆきの「孤宿の人」もおすすめです。

蒲生邸事件を読み終えた人はぜひ読んでみてください。

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