【感想】第166回直木賞『黒牢城』戦国武将荒木村重の葛藤

直木賞
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この記事では、第166回直木賞を受賞し、2022年本屋大賞にノミネートされ、第12回山田風太郎賞受賞作である米澤穂信さんの『黒牢城』を紹介します。

この作品は、戦国武将である荒木村重と切れ者の軍師として有名な黒田官兵衛の物語。

どちらとも、歴史が好きな人であれば聞いたことのある名前ですね。

歴史小説の醍醐味を味わることはもちろん、ミステリー小説としても楽しめます

そんな『黒牢城』を読んだ感想をまとめました。

興味を持って下さった方はぜひ最後までご覧ください。

この本はこんな人におすすめ
  • 荒木村重や黒田官兵衛に興味がある人
  • ミステリー小説や歴史小説が好きな人
  • 文学賞受賞作品に興味がある人

『黒牢城』について

タイトル黒牢城
著者米澤穂信
出版社角川文庫
発行日2021年6月2日
ページ数448P

この本は、第166回直木賞と第12回山田風太郎賞を受賞し、2022年本屋大賞にノミネートされています。

主人公の荒木村重は、謀反を繰り返した人ですね。

私は卑怯な人だと認識していて、良い印象ではありませんでした。

でも主家である池田家を下剋上で乗っ取り、信長に信頼され1国を任されていたということは、無能ではないし、ただの卑怯者ではなかった。

この本を読んで村重の思慮深い面を知ることができました

著者について

著者である米澤穂信のプロフィールです。

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。

2011年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)

2014年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』および2015年発表の『王とサーカス』は3つの年間ミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続三冠を達成した。

他の作品に『真実の10メートル手前』『いまさら翼といわれても』『本と鍵の季節』『Iの悲劇』『巴里マカロンの謎』などがある。

引用:『黒牢城』(米澤 穂信 著)

米澤穂信さんはミステリー小説の作家さんなんですね。

ミステリーをあまり読まない私は存じ上げませんでしたので、著作を始めて読みました。

最初からグイグイ物語の世界に引き込まれ、ダレるところがなく、一気読みしてしまいました。

米澤さんの手腕のすごさだと思います。

『黒牢城』のあらすじ

荒木村重は織田信長に仕えていたが、謀反を起こし有岡城に籠城する。

信長に逆らうのをやめるように説得に来た小寺(黒田)官兵衛を村重は土牢に閉じ込めてしまう。

官兵衛はただの優秀な武将ではない。大局を見れる知恵者であった。

有岡城で不可思議な事件が起こり、行き詰った村重は土牢にいる官兵衛の元へ行く。

見どころ

有岡城で起こる様々な事件。

村重は思考に行き詰ると官兵衛の元へ訪れる。

村重の思考と官兵衛の知恵が見どころになります。

村重はなぜ武士の習いに反して人質を殺さなかったのか。

また信長に謀反を起こしたのはなぜなのか。

そのあたりも見どころです。

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『黒牢城』を読んだ感想

それでは『黒牢城』を読んでみた感想を述べていきます。

風聞の恐ろしさ

噂話をする人たち

風聞で簡単に人は惑わされる。

人を統率する難しさを感じました。

人は城。将卒が大将の器量を疑う城は、いかに堀深くとも容易く落ちる。

引用:『黒牢城』(米澤 穂信 著)電子書籍P93

事が起きた時に、それを部下たちがどのように解釈し、どのように言い広められるか。

それによって人々が大将(村重)を見る目が変わってしまう。

それは今も変わりませんね。

噂にとても影響されて、すぐに色眼鏡で見てしまいます。

不倫をした芸能人などなど。

士気がれた城は枯れ枝のごとく、わずかな火にも燃え上がる。

引用:『黒牢城』(米澤 穂信 著)電子書籍P153

大将の器量を信じられなければ、士気は簡単に枯れますね。

どんなに堀が深く守りに堅い城であったとしても、その中にいる兵たちが問題。

士気が枯れてしまえば、簡単に落ちてしまう。

そういう意味ではずーっと村重は危機にありました。

この本では、外だけでなく内との戦いの大変さがこれでもかと描かれていました。

愛着は苦である

ツボ

愛着があるということは、もうそれに縛られている。

それは苦しみであることにハッとしました。

この穢土えどでは、愛着は既にして苦にありますれば

引用:『黒牢城』(米澤 穂信 著)電子書籍P153

村重は信長への降伏を模索し、明智光秀に口利きをお願いしようとしました。

明智の部下である斎藤に、人質ならぬ物質を出すように言われる。

物は、村重が持つ大変高価な茶壷の「寅申とらさる」を指定。

村重は「寅申」を差し出すことに決め、使者に持たせますが、「寅申」が消えたかもしれない状況になります。

その時の村重の動揺っぷり。

高価でとても愛着のあるもの、なかなか代わりがきかないものは人を苦しめるんですね。

何にも愛着がないというのは寂しいですが、何にしてもほどほどが良いのだと思いました。

後悔のないようにするには

後悔する女性

日頃、後悔のないようによくよく考えるということをしていないと気づいてしまいました

考え尽くして決したことには、その結果はどうあれ、村重が悔いることはない。

だが、考えが及んでいなかったことには──薄い、紙のように薄い、悔いが残る。

引用:『黒牢城』(米澤 穂信 著)電子書籍P278

大将の決断は、お家の運命や生死に直結しますね。

また、一度口から出た言葉は、簡単に覆すことができません。

なので、村重はよくよく考えてから決断するため後悔がない。

では、私はというと、そもそも考えつくしてこなかったのではないか。

だから、薄くない、後悔していることがあるのではないか。

自分がいかに浅はかだったかを思い知って恥ずかしくなりました。

立場や影響力はまるで違いますが、今からでも村重を見習いたいと思いました。

村重と官兵衛

ここで戦国武将にあまり詳しくない人のために、荒木村重と黒田官兵衛について簡単に説明します。

荒木村重

藤原秀郷の末裔で、最初の主君・池田勝正を裏切り、池田家の乗っ取りに成功。その後、池田家が仕えていた信長へと主人を鞍替えした。

信長に謀反をおこし、多くの人質や城兵を見殺しにして、毛利のもとへ逃れる。

信長が本能寺の変で自害した後は、茶人として秀吉に仕えた。

黒田官兵衛

初め小寺氏に仕えて小寺姓を名乗っていた。

織田信長・豊臣秀吉に仕え、特に秀吉の軍略家として中国征伐、九州征伐に従軍し、豊前中津城主として12万石を与えられる。

文禄・慶長の役に出陣。関ヶ原の戦で徳川方に属した。

キリシタンでもあったため、シオメンという洗礼名もあった。

黒田官兵衛が有岡城に幽閉されるのは大河ドラマで見て印象に残っていました。

なんてひどいことをするのだろうと。

『黒牢城』を読んでも同じ感想でした。

最後に

第166回直木賞受賞で2022年本屋大賞にノミネートされた『黒牢城』について紹介しました。

村重が立てこもる有岡城で起こる様々な事件 。

その事件の真相は驚くべきものでした。

まだ読んでいない人はぜひ読んで、このミステリーを体験してみてください。

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