【感想】2023年本屋大賞第6位『君のクイズ』小川哲

本屋大賞
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この記事では、2023年本屋大賞第6位の『君のクイズ』(小川哲 著)を紹介します。

「クイズ」について考える機会ってあまりないですよね。

クイズが好きでも嫌いでもない私にって、この本は衝撃的でした。

たかがクイズ、されどクイズ。

クイズが人生に深くかかわっていたことを教えてくれました。

だからと言って重くはなく、サクッと読めて謎解きの要素もあるエンターテイメント小説です。

感想をまとめましたので、ぜひ最後まで読んでください。

この本はこんな人におすすめ
  • 深く考えずサクッと読める本を探している人
  • クイズの物語に興味がある人
  • 本屋大賞に興味がある人

『君のクイズ』について

タイトル君のクイズ
著者小川哲
出版社朝日新聞出版
発行日2022年10月7日
ページ数165P(電子書籍)

ページ数も多くはないので、サクッと読むことができます。

読み始めたら一気に最後まで読みたくなる本でした。

頭を空っぽにして気分転換したい時にうってつけだと思います。

著者について

著者である小川哲さんのプロフィールです。

1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。

2015年に『ユートロニカのこちら側』でハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビューする。

2017年 第2長編『ゲームの王国』で日本SF大賞、山本周五郎賞を受賞する。

他の著書に、短編集『噓と正典』、第3長編『地図と拳』がある。」

引用:『君のクイズ』(小川 哲 著)

小川哲さんの作品は2024年本屋大賞にノミネートされた『君が手にするはずだった黄金について』を読みました。

本作品もそうですが、面白い切り口で書く作家さんで、こんな見方があったのかと驚かされてばかりです。

『君が手にするはずだった黄金について』について紹介している記事があります。

興味を持って下さった方はぜひご覧ください。↓

『君のクイズ』のあらすじ

三島玲央はクイズのナンバー1を生放送で決める、第1回「Q-1グランプリ」の決勝まで勝ち進んだ。

対戦相手は東大医学部4年生で「世界を頭の中に保存した男」と言われている本庄絆。

勝敗を決める最後の問題。

「問題」という声のあとすぐにボタンを押す本庄。

まだ1文字も読まれていない問題に正解し、本庄は優勝する。

やらせはあったのか。なかったとしたらどうして正解を出すことができたのか。

三島はこのクイズに答えるために動き出す。

見どころ

「Q-1グランプリ」にやらせがあったのかを調べていくうちに、クイズの一問一問にエピソードや歴史があり、三島の人生を振り返ることになるところが見どころです。

三島の思考がいちいちクイズ形式なのも面白いですよ。

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『君のクイズ』を読んた感想

それでは、『君のクイズ』を読んでみた感想を述べていきます。

クイズの力

早押しボタン

クイズの力というものを私は知りませんでした。

感情が乱れたとき、僕はデスクの引き出しから早押しボタンを取りだす。

(中略)

僕はボタンの上に指を這わせて、表面を撫でた。僕の心が落ち着きを取り戻す。

引用:『君のクイズ』(小川 哲 著)電子書籍P30

三島にとってクイズの早押しボタンは精神安定剤にもなったんですね。

誰でも感情が乱れたときに心を落ち着かせる方法を持っていて、その方法は人それぞれ。

私は一時期座禅に通って、辛い悩みの時期を乗り越えたことがあります。

座禅は珍しい方法ではありませんが、早押しボタンをなでることで心が落ち着くからと言って、それが不思議なこととは思いませんでした。

それだけ三島がクイズに懸けているということですね。

気がつくと、クイズの外でも「恥ずかしい」と思うことがあまりなくなっていた

クイズも現実世界も同じだ。なんでもやってみるに越したことはない。誰かに笑われたって構わない。

恥ずかしいという気持ちのせいで自分の可能性を閉ざしてしまうことの方がもったいない。

引用:『君のクイズ』(小川 哲 著)電子書籍P78

クイズは三島から「恥ずかしい」と思う気持ちをなくしました。

クイズは人を変えるということですね。

間違った答えをすることを恥ずかしいと思っていると、早押しでは勝てない。

本の中ではクイズに勝つための極意のようなものがたくさん書いてあります。

知識だけあっても勝てない。

技が必要なんですね。

訓練をしていくうちに、勝つために必要ないことはそぎ落とされていく。

クイズってすごいですね。

ピンポン音の偉大さ

王様

クイズに正解した時の「ピンポン」という音の偉大さを知りました。

正解の「ピンポン」という音は、解答者だけでなく、出題者も肯定する音なのだ。

解答者の世界と、出題者の世界が重なりあって、答えがひとつに確定する。

それこそがクイズの醍醐味だ。

引用:『君のクイズ』(小川 哲 著)電子書籍P86

出題者のことまで考えたことありませんでした。

誰にも解答されない問題を作ってもむなしいだけですね。

簡単には答えられないけど、誰かには正解してほしい。

解答者も、簡単には答えられない問題を自分は正解したい。

「ピンポン」は解答者も出題者も肯定する音。

なるほど、と思うと同時に、このような思考が面白いと思いました。

一人でしばらく泣いてから、自分がまたクイズをしたくなっていることに気づいた。

「ピンポン」という音は、クイズに正解したことを示すだけの音ではない。

解答者を「君は正しい」と肯定してくれる音でもある。

引用:『君のクイズ』(小川 哲 著)電子書籍P122

「ピンポン」と言う音は人生も肯定してくれる音なんですね。

君のその生き方は正しいよ、君の選択は間違ってないよ、と。

私も早押しボタンを手元に置いておきたくなりました。

誰しもクイズと無関係ではない

信頼関係のある2人

クイズは出題者、解答者だけでなく、誰もが無関係ではないのだと思いました。

僕たちはいつもクイズを出題され続けている。競技クイズをしている必要はない。クイズは世界のどこにでも存在している。

引用:『君のクイズ』(小川 哲 著)電子書籍P123

世の中のほとんどのクイズには答えがない

むしろ、答えがある一部の問題だけを切りだしたものが、僕たちがやっているクイズという競技なのかもしれない。

引用:『君のクイズ』(小川 哲 著)電子書籍P124

人生はクイズの連続なんですね。

どの学校に行こうか、どの会社に就職しようか、どの人と結婚しようか。

人生に関わる大きなクイズばかりではなく、毎日毎日私たちはクイズに答え続けている

そうやってクイズだと思って面白がればいい。

間違ったって死ぬわけではない。

どうせなら面白がった方が楽しく生きられそうだと思いました。

そしてタイトルの『君のクイズ』の“君”は、本を読んだ人のことを指していると私は解釈しました。

他人事ではなくあなたのクイズですよ、人生は、と。

最後に

2023年本屋大賞第6位を獲得した『君のクイズ』を紹介しました。

小川哲さんが書いた面白い思考の連続にわくわくし、人生はそんなに悪くないと思わせてくれます。

まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。

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『君のクイズ』は電子書籍でも読むことができます。電子書籍なら専用リーダーがあると目が疲れなくて長時間の読書も楽しめますよ。

小川哲さんの作品は、『嘘と正典』もおすすめですよ。

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