2024年本屋大賞の結果が発表されました。
大賞に輝いたのは、宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』
年代を問わずおすすめできて、元気を与えてくれる作品です。
惜しくも大賞に選ばれなかったノミネート作品のどれもが素晴らしい本でした。
重いのからサクッと読めるのまで、また大人向けから児童書まで、バラエティに富んでいます。
この記事では、本屋大賞候補となった10作品すべてを読んだ感想をまとめました。
ぜひ最後までご覧になり、本選びの参考にしていただければ幸いです。
2024年本屋大賞受賞・ノミネート作品一覧
2024年本屋大賞作品一覧表にしました。
順位 | 書籍名 | 著者 | 点数 |
---|---|---|---|
大賞 | 『成瀬は天下を取りにいく』 | 宮島未菜 | 525.5 |
2位 | 『水車小屋のネネ』 | 津村記久子 | 411 |
3位 | 『存在のすべてを』 | 塩田武士 | 403 |
4位 | 『スピノザの診察室』 | 夏川草介 | 340 |
5位 | 『レーエンデ国物語』 | 多崎礼 | 263 |
6位 | 『黄色い家』 | 川上未映子 | 258.5 |
7位 | 『リカバリー・カバヒコ』 | 青山美智子 | 227 |
8位 | 『星を編む』 | 凪良ゆう | 172 |
9位 | 『放課後ミステリクラブ』 | 知念実希人 | 148 |
10位 | 『君が手にするはずだった黄金について』 | 小川哲 | 131.5 |
もし私が投票するなら『星を編む』『存在のすべてを』『レーエンデ国物語』の3作品にすると思っていました。
気分によって読みたい本は変わりますし、好みも人それぞれですね。
本屋大賞は書店員さんが売りたい、おすすめしたいと思った本に投票して決める賞です。
なので、『成瀬は天下を取りにいく』が受賞したのは、とても納得できました。
重くなく、だからといって軽すぎず、しっかりと心に残るので、人におすすめするのにちょうど良い本だと思うからです。
それではそれぞれの作品について私が読んでみた感想を述べていきますね。
【2024本屋大賞】受賞・ノミネート作品の感想
大賞『成瀬は天下を取りにいく』
まずは大賞を獲得した宮島未菜さんの『成瀬は天下を取りにいく』です。
何でも人よりできて、やりたいことを全力で取り組む、成瀬あかりの物語。
地域密着型で、滋賀県大津市の「西武大津店」を軸に繰り広げられるお話です。
中高生時代や地元のこと、同級生のことを思い出し、懐かしさでいっぱいになりました。
そして、コロナ自粛ですっかり消極的になった私たちに元気を与えてくれます。
サクッと読めますので、普段あまり読書をしない人にもおすすめです。
まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
この本の詳しい紹介記事はこちらです。
第2位『水車小屋のネネ』
次は第2位と獲得した津村記久子さんの『水車小屋のネネ』です。
ネグレクトの母親や母親の恋人による虐待から逃げて自立した姉妹の物語です。
楽天家の姉と自分を人間だと思っているヨウム(鳥)のネネのおかげで重い物語にはなっていません。
親や家族が子供を1番苦しめている、近くの他人の方がずっと親身になってくれるということは割とありますよね。
この物語には、親切な近くの他人がたくさん出てきます。
読後は誰かに親切にしたくなる、人の優しさを感じられるお話です。
まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
『水車小屋のネネ』の詳しい紹介記事はこちらです。↓
第3位『存在のすべてを』
次は第3位になった塩田武士さんの『存在のすべてを』です。
この作品は、私があまり自分から手にしないミステリーです。
それなのに、心を鷲掴みにされ、読後はしばらく呆然としてしまうほどでした。
横浜で起きた男児の誘拐事件。
警察が犯人を取り逃がし、生存が絶望視された男児が3年後に生還する。
現在進行形の誘拐事件で、警察と犯人の攻防には手に汗握りました。
そして、男児は3年間どこで誰にどのように育てられたのか。
親とは何か、愛情とは何なのか、そんなことを考えさせられます。
サクッと読める話ではないので、まとまった時間が取れるときに読むことをおすすめします。
『存在のすべてを』の詳しい紹介記事はこちらです。ぜひご覧になってください。
第4位『スピノザの診察室』
次は第4位となった夏川草介さんの『スピノザの診察室』です。
スピノザは有名な哲学者だそうです。私は知りませんでしたけど。
大学病院の「最先端治療」と町医者の「最後を看取る医療」との対比が興味深かったです。
自分の最後をどこでどのように迎えたいのか。
どんな医者に診てもらいたいのか。
物語に登場するいろんな患者さんのケースから、自分はどのような患者でいたいのか、を考えさせられる物語です。
医療ものですけど、重くはなくサクッと読むことができます。
まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
『スピノザの診察室』の詳しい紹介記事はこちらです。ぜひ合わせてどうぞ。
第5位『レーエンデ国物語』
次は第5位となった多崎礼さんの『レーエンデ国物語』です。
こちらは私の苦手とするファンタジーもの。
なのに、10作品のうち3本指に入る心に残る本となりました。
主人公ユリアと一緒にレーエンデに旅に出て、その幻想的な世界に圧倒され、初めての友達ができて、初めての恋をする。
現実逃避にはうってつけの物語です。
サクッと読める本ではなく、どっぷりとレーエンデの世界に入り込んでしまうため、まとまった時間がある時に読みことをおすすめします。
『レーエンデ国物語』の詳しい紹介記事はこちらです。ぜひ合わせてご覧ください。
第6位『黄色い家』
次は第6位となった川上未映子さんの『黄色い家』です。
こちらもネグレクトな母親が出てきます。
生まれた家で人生は決まってしまうのでしょうか。
そこから抜け出す方法はないのでしょうか。そうするしかなかったのでしょうか。
3人の少女たちが同居し、犯罪に手を染めてハマっていく物語。
スッキリハッピーに終わるわけでもなく、重苦しさが残ります。
でも人が落ちていく過程を、そのような人がいることを、知ることができて良かったです。
そして明日は我が身かもしれない、と身が引き締まる思いがしました。
まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
『黄色い家』の詳しい紹介記事はこちらです。↓ ぜひご覧になってください。
第7位『リカバリー・カバヒコ』
次は第7位となった青山美智子さんの『リカバリー・カバヒコ』
痛いところや病気のところをなでると回復するというカバのアニマルライド「カバヒコ」の物語です。
何とも言えない愛らしい顔をしたカバヒコをなでながら話しかける。
カバヒコが人に寄り添い、問題を根本から解決する。
夢のようなお話ですよね。
でもファンタジーのようでファンタジーではない、と私は思いました。
自分ひとりで考えているうちは、問題の本当の原因がわからない。
誰かや何かに頼ることって大事なことだと教えてくれる物語です。
まだ読んでいない人は、読んでみてください。
『リカバリー・カバヒコ』の詳しい紹介記事はこちらです。ぜひご覧ください。
第8位『星を編む』
次は第8位となった凪良ゆうさんの『星を編む』
こちらは2023年本屋大賞に輝いた『汝、星のごとく』の続編になります。
「続編」にあまり良い印象がなくて、読む前は続編かぁと正直思っていました。
ですが読み終わった後は、そんなことを思ってごめんなさい、続編ありがとうございます!と叫びたくなりました。
続編をもって、櫂と暁海の物語は本当の完結を迎えたのだと思います。
『汝、星のごとく』を読んで、まだ『星を編む』を読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
『星を編む』の詳しい紹介記事はこちらです。 ↓
『汝、星のごとく』をまだ読んでいない人は、先にこちらをご覧ください。
第9位『放課後ミステリクラブ』
次は第9位となった知念実希人さんの『放課後ミステリクラブ』です。
こちらは児童書になります。
児童書だからって侮ってはいけませんよ。
解決する事件は血が流れたりするわけではなく、微笑ましいものです。
ですが解決して、あー良かった、では終わりません。
大人でも、罪とは何か、犯人とは何かを考えさせられます。
時々児童書を読んで、初心?に帰るのも大事なのかもと思いました。
『放課後ミステリクラブ』の詳しい紹介記事はこちらです。
第10位『君が手にするはずだった黄金について』
最後は小川哲さんの『君が手にするはずだった黄金について』です。
こちらは著者が主人公の物語で、6編が収録されている短編集です。
著者の周りにはつくづく面白い人がいるんだなぁと思いました。
でも見逃しているだけで、見方を変えれば私の周りも面白い人だらけなのかもしれない。
出来事をどんなふうに見るかで、違った解釈になりますよね。
どうせなら悪くとらえるより、面白がって楽しい人生をおくりたくなる物語です。
この本の詳しい紹介記事はこちらです。各編ごとに感想を述べていますのでぜひご覧ください。
最後に
2024年本屋大賞を受賞・ノミネートされた10作品を紹介しました。
どの本も一生心に残る本になること間違いなしです。
まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
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