本のジャンルはさまざまありますが、この記事では「歴史時代小説」のおすすめをご紹介します。
歴史時代小説というと、まだ読んだことない人にとっては難しいのではないかと敷居が高くなっていませんか?
私は歴史が好きなこともあって、時代小説はよく読みます。
有名な実在の人物の物語も好きですが、私のような一般庶民の物語も大好きです。
そんな歴史時代小説好きの私が読んだ本の中から、これから歴史時代小説を読んでみようと思っている人にもおすすめな7冊を紹介します。
参考にしていただければ幸いです。
歴史時代小説を読むメリット
おすすめ本を紹介する前に、歴史時代小説を読むメリットをお伝えします。
私の考えるメリットは次の3つです。
- 物語の時代にタイムスリップした気分になれること
- その時代の人たちの考え方、生活習慣、人とのつながりを感じられること
- その時代に入り込んで現実逃避できること
歴史時代小説の中に入り込むことで、時代によって変わったものに触れたり、時代が変わっても変わらないものに感動したりします。
それは歴史時代小説ならではのメリットだと私は思います。
おすすめな歴史時代小説7選
これからおすすめな時代小説を3冊紹介します。
この記事で紹介するのは、直木賞を受賞またはノミネートされた作品の中から選んだ7作品です。
ところで、直木賞とはどんな作品に贈られるのでしょうか。
直木賞は大衆小説に贈られる賞ですので、受賞作品は読みやすくエンターテインメント性に富んでいるので、初心者にもおすすめです。
では早速紹介していきますね。
『木挽町のあだ討ち』
※この本はミステリーが好きな人、あだ討ちに興味がある人には特におすすめ
おすすめ1冊めは『木挽町のあだ討ち』(著:永井沙耶子)です。
2023年第169回直木賞受賞作品で今話題の本となっています。
あだ討ちを成功させ国に戻った菊之助。あだ討ちが行われた芝居小屋に菊之助の縁者が聞き込みに来て、真相を解き明かしていく物語です。
菊之助と関わった相手のことも知りたがる縁者。
その人たちの生い立ちや芝居小屋で働くようになるまでの経緯、人となりがとても興味深いです。
登場人物一人ひとりにつき1冊の本になりそうな濃い人生の人ばかりでした。
身分を超えた人との絆。そして大どんでん返しな結末を楽しめるこの物語をぜひ読んでみてください。
『木挽町のあだ討ち』のあらすじや感想をまとめた記事です。↓
『心淋し川』
※重すぎず、読後にほっこりしたい物語が読みたい人におすすめ
2冊めの『心淋し川』(著:西條奈加)は第164回の受賞作品です。
この本は「心淋し川」「閨仏」「はじめましょ」「冬虫夏草」「明けぬ里」「灰の男」の6編からなる短編集です。
短編集は区切りのいいところで中断できるので、まとまった読書時間が取れないときも読みやすいですよね。
6編とも、淀んだどぶ川である心淋し川(うらさびしがわ)周辺の住民たちの物語です。
それぞれの話は独立しているようですが繋がっています。
最後の「灰の男」は集大成になっていて、5編までの登場人物の「その後」が垣間見れたりします。
江戸時代のご近所の繋がり、助け合って生きる姿が美しい作品です。
例えば、楡の木に座って動かないおじいさんを皆が気にかけ、食べるものを差し入れるところが素敵だと思いました。
各編のあらすじと感想をまとめた記事です。ぜひ参考にしてください。↓
『つまをめとらば』
※女性によって人生が変わった男性の姿に興味がある人におすすめ
3冊めの『つまをめとらば』(著:青山文平)は第154回の受賞作品です。
「ひともうらやむ」「つゆかせぎ」「乳付け」「ひと夏」「逢対」「つまをめとらば」の6編が収録されていて、こちらも短編集になっています。
「乳付け」は女性が主人公ですが、その他は女性によって人生が変わったり、女性を必要としたりする男性の物語です。
男性にとって女性とはどんな存在なんだろうと考えさせられます。
理解し合うことはできないのに、一緒に人生を歩みがちですね。
相手によって人生が良くも悪くもなってしまう。
いつの時代も結婚は人生を賭けた博打のようなものだとわかります。
私はその博打に1回負けました(笑)
各編のあらすじと感想をまとめました。こちらの記事も参考にしてください。↓
『蜩ノ記』
※武士の生き様と死に様に興味がある人におすすめ
4冊めの『蜩ノ記』(著:葉室麟)は第146回の受賞作品です。
切腹まであと3年と死ぬ日が決まっている武士(秋谷)の物語。
清廉すぎる主人公と、悪代官のような利権にまみれた上層部。
とてもわかりやすい物語となっていますので、時代小説初心者の人ににうってつけの作品です。
映画を観た人もぜひ原作を読んでみてください。
『蜩ノ記』について詳しく紹介している記事があります。
ぜひ合わせてご覧ください。
『恋歌』
※幕末動乱期を生き延びた女性の人生に興味がある人におすすめ
5冊めの『恋歌』(著:朝井まかて)は第150回の受賞作品です。
有名な歌人である中島歌子の恋の物語。
江戸時代には珍しく水戸藩士と恋愛結婚した歌子でしたが、幕末の動乱に巻き込まれていきます。
大きな時代の流れに逆らえなかった1人の女性。
その生き様は、平和な時代にのほほんとしている私たちに、その生き方でいいのかと投げかけているかのように感じました。
『恋歌』の詳しい紹介記事はこちらです。↓
『宇喜多の捨て嫁』
※戦国武将に興味がある人におすすめ
6冊めの『宇喜多の捨て嫁』(著:木下昌輝)は第152回のノミネート作品です。
戦国時代には誰でも知っている有名な武将がいますよね。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、など。
この本は、宇喜多直家というマイナーな戦国大名の物語です。
各編ごとに違う目から見た直家が描かれていて、見る目によってこんなにも人物像って変わるのかと驚きます。
『宇喜多の捨て嫁』の詳しい紹介記事はこちらです。↓
『まいまいつぶろ』
※江戸時代や徳川将軍家に興味がある人におすすめ
最後7冊めの『まいまいつぶろ』は第170回のノミネート作品です。
8代将軍吉宗は「暴れん坊将軍」などでも出てきて有名ですよね。
この作品は、吉宗の息子である9代将軍家重の物語です。
家重は産まれたときから障害を持つ孤独な将軍でした。
言葉を上手く発することができない、思うように体を動かせない、側近にはバカにされる。
そんな家重の言葉を理解できる人が現れます。
そのたった1人の理解者との友情の物語。
『まいまいつぶろ』の詳しい紹介記事はこちらです。↓
まとめ
歴史時代小説をこれから読んでみようと思っている人にもおすすめな3冊を紹介しました。
これらの本をきっかけとして、歴史時代小説を好きになっていただけたら嬉しいです。
この記事を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。